2025.5.28

患者さんたちに、羅漢果を届け続けた30年。

プロフィール

(株)羅漢果工房 代表取締役社長、ヒーリングスペース癒しの森院長
大橋 正文さん

西洋医学による体の診断、症状の分析を基本にしつつ「心と体に優しい治療こそ真の改善」と考え、欧米の代替医療を中心に、薬膳学、漢方、呼吸法、瞑想法、リンパケアなどを行い、リウマチ、がん、糖尿病から重度のアトピー、ぜんそくまで、全国の難病患者を年間約4000人施術している。治療院の運営の際に「羅漢果」に出会い、砂糖制限で苦しむ方を解放する食品だと確信し、本物の「羅漢果」を求めて7年の歳月をかけて「らかんか顆粒」を商品化する。創業から32年間、日本で唯一の純度と品質を誇る「らかんか顆粒」を守り続ける。著書に“もう我慢しなくていい!!「甘さ」を楽しんで糖尿病を治す!食事制限療法の常識を破る羅漢果顆粒で家庭薬膳療法”。
株式会社羅漢果工房

1993年頃にノンカロリー甘味料の原材料として大ブームになった羅漢果という果実がある。世界で唯一、中国の桂林でしか育たない大変貴重な漢方果実だ。砂糖を制限しているアレルギー患者や糖尿病患者には欠かせないものである羅漢果の製造販売を、30年以上にわたり続けている大橋正文さんの話を聞いた。

目の前の患者さんのために。

「名古屋で漢方と気功の治療院をずっと続けていて、アトピーやぜんそくを持つお子さんも通っています。そこで患者さんから羅漢果について質問を受けたのが最初の出会いです。1993年頃のことだったかと思います」と話す大橋 正文さん。

大橋さんの治療院に通う患者さんにはアレルギー症状を抑えるため砂糖を制限している子どもも多い。羅漢果はブドウ糖とも果糖とも違う第三の糖と呼ばれ(テルペングリコシド配糖体)、腸内で吸収されず排出されるためノンカロリーだ。そのため砂糖制限をしている子どもたちでも甘みを楽しめる羅漢果はとても重宝された。

ノンカロリーで自然由来の甘さを持つ羅漢果は一般の方にも歓迎され大きなブームとなる。だが、一年ほどで流行も終わり商品の数が大きく減ってしまう。困った患者さんたちから大橋さんに相談が殺到し、その数は1,000件以上に上った。

「子どもの口に入るものだから安心できるものが欲しいという相談が、保護者から相次ぎました。当時、日本で流通していた商品を検査にかけてみたのですが、羅漢果がほとんど入っていないものも多く、信頼できる製品が見当たりませんでした」。目の前で困っている患者さんのために、大橋さんは羅漢果を自ら探すことにした。

朋友(ほうゆう)だから手に入る羅漢果。

羅漢果は中国桂林の山岳地帯でしか育たない、貴重な天然果実だ。それを育てる少数民族のヤオ族の人たちにとって、羅漢果は家宝のようなものだという。「いきりなりお金を持っていっても、分けてもらうことはできません。人と人との信頼関係を作るところから始めるしかありませんでした」と大橋さんは振り返る。

大橋さんは日本から桂林まで年に何度も足を運び、ヤオ族の人たちと顔を突き合わせ、酒を飲み交わした。3年ほど通い続けて、ついに羅漢果を分けてもらうことに成功する。さらに使いやすく、満足できる品質の顆粒状の製品に仕上げるまでに、探し始めてから7年近い月日を費やした。

「中国に住む人の価値観として、一生の友、中国語で“朋友(ほうゆう)”を作るという夢があります。“日本人の大橋”から始まり、“大橋さん”、“友の大橋”と関係を深めていき、義兄弟のような関係、つまり“朋友”になって初めて羅漢果を買うことができました。以来、売れ行きに関係なく、取引の信用を守るため30年間、定期的に羅漢果を購入し続けています」。

商社などと大橋さんの会社が大きく違う点は、人と人との付き合いを、現地の方々と個人で10年、20年、30年と続けている点だ。「小さな会社ではありますが命を懸けています。全国に羅漢果を必要とされている方々がいる、という事実が原点なので、辞めることができないし、品質にも妥協はできません。現地に自社工場を作り、300人近い方と一緒に、一切の外注を排除して製品づくりに取り組んでいます」。

家庭料理を薬膳にする羅漢果。

砂糖代わりに調味料として使うだけで、家庭料理が簡単に薬膳になるという点も、羅漢果の大きな魅力の一つだと大橋さんは話す。「料理に使える唯一の漢方です。鼻炎や風邪に強くなるといった体質改善が望めます。まず効果が出やすいのは便通で妊婦さんにも好評です」。

羅漢果の皮と根には鉄分、カルシウム、ビタミンEが豊富に含まれている。これは生産地である桂林は太古の海底が隆起してできたカルスト台地であるためだ。また桂林は、標高400~1000mの山岳地帯で亜熱帯地方に位置し、羅漢果は常に強い紫外線にさらされて育つ。そのため、優れた抗酸化作用を持つ。

「羅漢果は1850年代から解熱剤として漢方薬に中国全土で使われています。ですが、漢方薬に用いられる最高等級(L玉)の羅漢果は収穫量全体の15%ほどしかありません。私たちの製品は、このL玉を使用しています」と大橋さんは話す。漢方薬に用いられる品質の羅漢果を使えるのは、長年に渡る生産者たちとの信頼の何よりの証だ。

この日は、参加者によるドレッシングづくりも行われ、らかんか顆粒と醤油、お酢を入れて混ぜるだけとあって非常に好評だった。らかんか顆粒を使った豚の角煮やバスクチーズケーキも提供され、手軽にできる薬膳料理という面も、参加者は楽しみながらも実感している様子だった。

「32年間にわたって、らかんか顆粒を提供し続けることができたのは、関わっている人を大切にしてきたからだと思います。次の30年も続けていけるよう、情報が溢れかえった今だからこそ、もう一度、生産者として責任を持って消費者の方々の前で直接、情報発信をしていきたい。商品の安心と安全をお伝えするためには、それが一番大切だという思いが今回のような講座を開く理由のひとつです」と大橋さんは話す。

大橋さんが経営する株式会社 羅漢果工房では、製造、販売の全てを自社で管理し、製造方法から使い方の相談からまで、すべての問い合わせに対応している。らかんか顆粒に興味がある方は、資料やサンプルの請求ができるので、公式HPから問い合わせをしてみてほしい。また、群馬県内では、スーパーまるおかで取り扱いがある。近くにお住まいの方は足を運んでみてはいかがだろうか。

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